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檜山バターン(@hiyanimation)のブログです。note(https://note.com/batahiya)では別の記事を載せていてそっちの方がちゃんとしてます。このはてなブログは知人に読まれることを想定していることが多いです。

2019年度武蔵美卒制展に行った

 去年中退した武蔵美の卒展に行った。親しくさせていただいた油絵科の人々が概ねこの学年だったことと、自分が高校卒業から四年ということで、気持ち的に近さがあったので今までにない気分で観に行った。

 「みんな俺と同じように無為な期間を過ごしてしまったんだね……」となんとも言えない気分になる作品もあったが、凄い作品もあった。

 

 一番印象に残ったのは瀧内彩里さんの作品(タイトル忘れました)だった。

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 俺の撮った写真は全然伝わらないのでちゃんと撮っていた収集家の方のツイート→https://twitter.com/mujina1985/status/1218340367415664640?s=21

 

 僕は肯定と否定の両方を感じられる表現*1を成し遂げた作品に力を感じるのですが、この作品は肯定にも否定にグッと踏み込むことが出来ていて本当の凄いなと思った。*2

 改元とか諸々の日本の浮かれた様相を戯画化した空間があって、それ自体も面白いんですけど、特にこのLGBTQの化身みたいなのが凄いですね。「虹色に塗られた、胸と股間が膨らんだ謎の存在」とか4chanオルタナ右翼民主党を叩くために描くようなデザインですよ!そういう暴力的な造形物を祭事を戯画化した空間のインスタレーションに入れることで肯定と否定の両義性を出すことに成功していて、訴求力が凄く高い作品だと思いました。

 

他によかった作品

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宮城彩さんという方の作品。めちゃくちゃかっこよかった。宗教的なおどろおどろしさのある風景に、バグったように増殖したキャラ的表現が和紙に描かれて貼られている。和紙や箔のレイヤー感が重厚さを産んでいて近くで見ると漫画的というより絵巻物の戦乱描写のような凄みがある。

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漫画的表現の記号性を活用した作品は数あるが僕が今まで見たなかでもっともカッコいい活用の仕方だとおもった。ヤラレターってなった。

 

 以上二つが見たあとも残って色々思考が喚起された末に「俺もあんな凄さを作りたい」と思う作品でした。

 ほかにも良いものがあったんだけど頭痛がやばいのでとりあえず終えます。インフルじゃないことを祈る。

 

 

*1:どっちもどっちではなく、どちらでもある、ありうる表現のことです。いつかちゃんと言語化したい

*2:そもそもこの作品について考えることで自分は両義性に価値を置いているんだ!と気づいた