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檜山バターン(@hiyanimation)のブログです。note(https://note.com/batahiya)では別の記事を載せていてそっちの方がちゃんとしてます。このはてなブログは知人に読まれることを想定していることが多いです。

選挙の感想(2021年 衆院選)

 

 けっこう意外な結果だった。維新がここまで伸びるとは思わなかった。いろいろ考えたが「新自由主義」との相性ということなのかもしれない。

 けっこうできた反与党票をすべて維新(とちょっと国民民主)がかっさらった。ということでまずは「提案型野党」なる言葉が主権者に刺さった可能性を考えた。実際それはあるのだろう。「今の野党は妨害的な批判ばかりでダメだ」という、ネットに流布している文言が、わりと主権者の多くの感覚だったのだろう。国会というのはみんなで仲良く意見をもちよって決める、そんな学級委員会のようなシステムとしてそもそも作られてはいないのだが…。まあそれはいい。

 

 維新について思うのは何も成功していないのだ。まあこのコロナ禍で何か誇れる業績を成し遂げた政党などどこにもいないのだが、大阪において明確に失敗したのが維新という政党だったはずだ。

 

 なぜ大阪が人口、人口密度で勝る東京以上に感染が大変なことになったかと言えば、維新が行政のスリム化を訴えて公立病院と保健所を減らしたからだろう。そして行政支出を下げたはずなのに、維新が牛耳るようになってからの大阪の財政は全然回復していない。なのに今回なぜ伸びたのだろうか。メディアの囲い込みが行われている近畿以外でも議席を獲った。

 

 いろいろ考えたんだが、とどのつまり新自由主義的なことを言う政治家にこの国の主権者はとても弱いということなのかもしれない。

 私はコロナ禍で新自由主義の限界を見た思いをした。維新が主導する大阪はコロナに大敗北したし、補償ではなくGOTOキャンペーンやオリンピックを強行する菅政権の対応は強く批判された。
そして岸田政権は「新自由主義からの転換」を一応掲げている。新自由主義では結局ダメだということがわかった…そんな流れがあるんじゃないかと思ったのだが、この国の主権者にとっての改革のイメージはいまだに「税金の無駄遣いをとめる」というお題目なのかもしれない。

 

 思えば小泉政権が役所にパソナ派遣社員を導入したりしても小泉の人気は落ちなかったし、民主党が政権を取ったときに注目されたのは「政治主導の行政」、「事業仕分け」だった。そして「アベノミクス」をやっている限り安倍政権はどんなボロが出ても(最初に言っていたトリクルダウンが全く発生しなくても)盤石だった。

 それらが意味するのは、結果が全く伴わないことでも、新自由主義的なことをすれば国民の大勢は喜んでくれる、ということなのかもしれない。

 

 選挙報道で見た維新の松井代表の演説は印象に残った。「この国の経済をよくするには二つ方法があります。一つは経済成長させる。だけどこれは難しいです。日本は30年成長していないんだから。もう一つは税金の無駄づかいをなくすこと。これは簡単にできる…」というようなことを言っていた。

 軽妙な語り口は聞きやすかったし一定の説得力がある気はした。だがその失われた30年の内の20年くらいは概して新自由主義でやってきたのだから、それは失敗した(現に大阪で失敗しつづけている)路線の継続でしかないのだ。

 

 まあ、国民が改革を求めているっぽいこと自体は良いことかもしれない。未来への希望を持って行きたい。次の参院選では改憲が争点になる可能性が高いらしい……。まあ頑張って主権を行使していこう。