ブログ

檜山バターン(@hiyanimation)のブログです。note(https://note.com/batahiya)では別の記事を載せていてそっちの方がちゃんとしてます。このはてなブログは知人に読まれることを想定していることが多いです。

音楽の感想

音楽のことは本当にわからないが、ここ数ヶ月の間に主にApple musicで聴いた音楽の感想というかメモのようなものを書いておこうと思う。

 


民謡

 何かの本を読んでいて出てきた民謡(「会津磐梯山」だったか?)を聴き、それから色々漁ってみた。良いのもあったが老人がカセットテープで聴いていそうなダサいアレンジが入っているのとか多くてなんかな、と思っていたところで

戦前から戦後にかけてNHKが日本全国を巡って作った「日本民謡大観」を見つける。田植唄などはガチの一般農民によるアカペラ歌唱で上手くないんだけど味があってとても良い。いっぽう祭や行事で歌われる〇〇節は、おおむねその土地の上手い人が歌っているので上手くてカッコいい。

 また現在の「民謡」というものは昭和にかなりアレンジされていることが多いということも知った。お国自慢的な歌詞や盆踊りに使いやすいようなメロディに変更されていることがしばしば多いようだが、この民謡大観には変更前の素朴な秩父音頭などが聴ける。CD900枚分くらいあるらしいのでまだ全然聴いていないが、たまに聴くと楽しい。そしてもし俺に曲を作る技能とPCが手に入った暁にはこれのうちのなにかをサンプリングして使いたいと思った。

https://music.apple.com/jp/album/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%AC%A1%E5%A4%A7%E8%A6%B3-%E6%9D%B1%E5%8C%97%E7%AF%87-1/406269369

 


(パンク)ロック

 小説家として町田康を知ってから町田康の音楽も聴くようになった。町田康の小説に出てくるような小気味いい言葉がメロディに乗って歌われるのでとても面白かった。https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%A4%E3%82%8B%E3%81%A4%E3%82%8B%E3%81%AE%E5%A3%BA/990127934?i=990127943

若い頃のLIVE音源はほとんど狂ったように喚いているだけで聴いていて楽しかった。

それからググったりApple musicが関連で出してくれる日本の昔のパンクをいくつか聴いた。なかでも「頭脳警察」が印象的だった。

https://music.apple.com/jp/album/%E9%A0%AD%E8%84%B3%E8%AD%A6%E5%AF%9F-3/214331094

 歌詞がどストレートで凄いんだけど今聴くとなんかちょっとダサさも感じられてそれも相まって耳に残った。wikipediaによると「ダサくてもいいからオリジナリティに満ち、自信をもって人前で演奏できる」ことが結成の目的らしい(ソースが無いので怪しいが)のでまあ俺の受け取り方はそう外れてないのかと安心した。あとパンクはわりと聴いていて飽きるなとも思ったが、町田康がネット上のインタビューで「パンクは単調だから聴いていても演奏していても次第に飽きる」みたいなことを言っていて、やはりそういうものかと思った。その翌日HAIZAI AUDIOさん(音楽をやる友人たちの間で何度も話題になるノイズミュージックの人)が頭脳警察のことをツイートしていて嬉しかった。

 


ノイズミュージック

友達にHAIZAI AUDIOさんの曲を聴かされてはじめてノイズミュージックというジャンルを知った。色々なものがグチャグチャに混ぜられている感じが面白い。

https://soundcloud.com/user-812497726/wankdjmix-vol01

vaporwaveをはじめて聴いたときも面白いと思ったが、ノイズに重きが置かれているのがとても新鮮であった。

とりあえず「ノイズミュージックといえば」的な存在であるらしい非常階段を聴いてみた。わりと聴いていて落ち着く。これ作業用BGMになるんじゃないかと思う。むしろ一曲が長いので集中して聴き通すのは難しい。非常階段が初音ミクを使ったりした初音階段の「初音階段」という最初のアルバムも聴いてみた。徐々にノイズ感が増すのが高揚感あった。最後の「Hatsune-kaidan」という曲は初音ミクの声を感知できなかったが、これは非常階段とは何が違うんだ?!ってビックリした。

https://music.apple.com/jp/album/%E4%B9%BE%E7%82%BA%E5%A4%A9/1456223810

https://music.apple.com/jp/album/hatsune-kaidan/932760103?i=932760201

 


シェーンベルク

これはニーチェについて読んでニーチェと共鳴したワーグナー音楽史に与えた変化みたいな話を読んで、その最終形態みたいにシェーンベルクが紹介されていたので聴いた。とても良かった。ずっと聴くと疲れるけど十二音技法の曲の不安定さは他にない魅力を感じた。

https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF-%E6%9C%88%E3%81%AB%E6%86%91%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%AD-op-21-part-i-no-1-moondrunk/218787414?i=218788448

 


現代邦楽

NHKの「にっぽんの芸能」という番組で今藤政太郎という人を知った。「六斎念仏意想曲https://m.youtube.com/watch?v=vKo-DNYApHw(公式だが録音が良くない)」という京都の祭囃子を元にした現代邦楽の曲がかっこよかった。それで適当にググって現代邦楽と呼ばれる曲を聴いてみたのだが、他に良いのが見つからなかった。民謡アレンジもそうだが現代っぽさを出すために題名をとりあえずローマ字にするのは辞めた方がいいと思う。

おそらく良い曲もあるんだろうがyoutubeApple musicには上がっていないんだろう。CDを再生する環境すら無いのでとりあえずどうしようもない。現代邦楽の良いのを知っている方は教えてください。

 


ツチヤチカら

金玉について延々と歌っている曲集。最初聴いた時転げ回るほど笑った。前回のコミティア前の修羅場作業中の数少ない癒しだった。ザ・フォーク・クルセダースのちょっとほのぼのした感じのコミックソングが好きなのだが(「帰ってきたヨッパライ」とか「水虫の唄」とか)それと似た物語としてのおさまりの良さを持っていて凄いなあと思った。特に「金玉交換」という曲はSFで素晴らしい。https://music.apple.com/jp/album/%E9%87%91%E7%8E%89%E4%BA%A4%E6%8F%9B/1459320958?i=1459321354

 

 

 

 


今日前に中退した大学の友達と一緒に、大学で講師をしている先生の個展に行った。友人が抽象画をどうやって見たらいいかわからないと言うので「なぜ絵画を鑑賞するくらいで悩む必要があるんだ?」と思ったが、それはおそらくどう見るかという行為よりも見る側としてのスタンスが取れない不安さを意味するのだと思った。音楽に対する自分も同様で、どういう立ち位置で聴けば良いのか正解がわからないよということだと思った。とすれば色々聴いて情報を得ていけば良いのだと思った。